Test Tubes

Research Topics

ハイドロゲルの流動性をDNAで予測・制御

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  • DNAが作る二重らせん構造の安定性が塩基配列に大きく左右されることに着目し,DNA二重らせん構造で架橋された新しいハイドロゲルを合成した。

  • このゲルのマクロな流動時間を調べたところ,DNA二重らせん構造の解離時間と幅広い時間領域で一致することが判明した。

  • DNA二重らせん構造の安定性は,塩基配列を設計することで自在に調整できるため,本手法を用いてゲルを合成することで,生理的条件下においても任意の流動性をもつハイドロゲルを合成できることが示唆される。

透明な脳の中の構造を小角X線散乱で観察

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  • 理化学研究所の上田泰己チームリーダー(東京大学大学院医学系研究科システムズ薬理学教室教授)、洲﨑悦生客員研究員(同准教授)らとの共同研究で組織透明化技術と組み合わせて利用できる全臓器・全身スケールの3次元組織染色・観察技術「CUBIC-HistoVIsion(CUBIC-HV)」を確立しました。

  • 我々は小角X線散乱を用いて、透明化前後の脳を測定し、脳が電解質ゲルであること、そして透明化によって脂質が除去されたことを発見した。

究極に透明なゲルを合成・ゲルの状態を再定義

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  • ゲル化前の溶液内で高分子を緻密に充填することで、ゲル化後でも均一に分散した状態を維持できることを突き止めた。このようなゲル化過程はボンドパーコレーションと呼ばれ、古くから理論として考えられていたが、現実の系では初めて実現された。

  • このような簡便な手法で、ソフトマテリアルの常識を覆す、極めて均一性の高いゲルの合成に成功した。

  • 本手法は、幅広い高分子種に適用でき、医学、薬学、化学、光学など幅広い分野への波及効果が期待される。

Nafionのナノ構造と溶液物性の関連を解明

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  • Nafionは古くから盛んに産業利用されているフッ化炭素系の高分子であるが、その物性と構造の相関はまだ不明瞭なところが多い。

  • 今回、厳密にサンプル調整条件を同一化し、0.5-30 wt%という幅広い濃度領域に対して、光散乱・小角X線散乱・レオ小角中性子散乱を行うことで、普遍的なナフィオンの溶液物性とナノ構造を明らかにした。

ゲル化臨界クラスターの謎な運動モードを解明

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  • ゲル化する直前の臨界状態は、その普遍性ゆえに多くの物理学者の興味を引き、多くの研究が行われてきた。その中でも、散乱ベクトルqの3乗に比例するスローな運動モードの起源は未解決問題として残されていた。

  • 今回の系統的な研究で、このゆっくりとした運動モードは従来の定説であったZimm mode(高分子の内部運動の一つ)とは全く無関係なもので、ベキ分布をもつ臨界クラスターの並進運動の足し合わせであることを解明した。